伊藤直樹『「伝わる」のルール』
- 作者: 伊藤直樹
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2009/09/17
- メディア: 単行本
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2009/09/17読了 2009/09/23メモ
●「インタラクティブが生きる法則」とは?
富士急ハイランドの「最恐戦慄迷宮」の例。
お客さんに対してこちらから働きかけ、そこで起こった行動に対してさらに働きかけ…と相互関係を作り出していくことで、カタルシスのある「体験」を提供している。こういうものがインタラクティブを用いたコミュニケーションの基本。
「廃墟と化した病院で起こった惨劇」といったバックグラウンドを考え、そこにストーリー性をもたせて起承転結を設定する。そのうえで、仕掛けをつくる。
●アイデアを考える時は、広告に接した人がどう思うかを徹底的に検証する。
人の行動をデザインするというか、ある種の「空間導線」を企画の中に埋め込む。
●ビッグアイデアはシンプルなものになっているかどうか。人の口の端に乗る「3行」。
ex. 「LOVE DISTANCE」=「遠距離恋愛中の男女ふたりを、出会うまで実際に走らせる」
忙しいマスコミの編集者が記事を書きやすいように。
●インタラクティブコミュニケーションの基本には、「身体性」がある。
身体的な動きに呼応して、なにかが起こる。これがインタラクティブということですし、そのやりとりを通じて、人は新たな「体験」をすることができるんです。(ex. マウスのカーソル)
●企画を考える際は、「この企画は、どうやって世の中にひろがっていくんだろう」という部分がイメージできるかどうか。もしくは「はやらせるプラン」を別に用意するか。(キャンペーンの文脈をつくる、ということ)
●フィニッシュにはとらわれる必要はない。結局はイマジネーションの問題。フィニッシュを考えるにしても、とにかく想像力を優先した方が良い。こういう表現をしたときに、受け手はどう感じるのか。どんな状況になるのか。どこがポイントになるのか。とことんまで受け手の立場になりきって、その「体験」をイメージしてみること。
●結局広告とは、「なにかを伝えること」。なにを伝えるのかを徹底的に明解にして、シンプルにいえるまで考え抜く。
●コアアイデアを見つけたら、出口をひとつに決め打ちしないで、それを糸口に、いろんな出口の可能性を考える。(ex. 声で敵を倒すゲーム→テレビCM、OOH、叫ぶ自販機…)
●面白い企画を思いついたら…。
面白い仕組みのアイディアを思いついたから、それで終わり、ではなくて、そこからその本質を考えてみて欲しい。どうして自分がその発想を得るにいたったのか。その仕組みの何を面白いと感じているのか。どうして魅力を感じるのか。それを客観的・徹底的に掘り下げていく。アイディアのエッセンスの部分をつかむ、ということ。そのコアの部分を中心に、「必要なメディアだけを使って、必要な体験を提供すればいい」。