佐藤悦子『SAMURAI佐藤可士和のつくり方』
- 作者: 佐藤悦子
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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●佐藤と知り合った当時、ホンダのキャンペーンで、明らかにそのキャンペーンの核となるビジュアルのコントロールをやっていた。
●メジャーな仕事をしている場合、わかりやすさは外せない。
わかりやすいものが格好悪いというのであれば、「わかりやすくて格好いいもの」をつくればいい。それができた人の多くが、「世の中に新しい価値を提示した人」として認識される。
●仕事を受ける時に、クライアントに聞くこと。
熱意、覚悟(どれだけリスクをとっているか)、リスク=バジェット、
判断システム(決定権を誰が握っているか)。
本契約の前に佐藤に会い、意思のズレ、相性を確認後、プロジェクトスタート。
●悦子氏:基本的に最初のプレゼンまではすべての打合せに出席。基本方針がキマルまでは不確定要素が多いので、最初の話通りにきちんと佐藤の仕事が機能しているか見届ける。
<ふじようちえん>
●プロジェクトがスタートする前に、できることとできないことのラインをはっきり見極める。
コンセプトメイキングからデザイン関係まで。確認事項を細かくリストアップし、期間も含めて契約書の形にまとめる。
●ある巨匠は「着心地の良い建物」という表現をしていた。
<明治学院大学>
●複数の案件が並行して動き始めた時、大勢の関係者全員が共有できるための議事録が必要になった。打合せをしながら、いきなりメール本文画面に打ち込んでいく。必要最低限の要点を書きながら、サムライ作業とクライアントにお願いすることを色分け。事務所に帰ってざっと見直し、そのまま送る。添付ファイルをわざわざ開く必要もない。
●ダイナミックでマクロなコンセプトメイキング。枠から外れすぎるのではなく、枠の外側ギリギリの絶妙なバランスで「ありそうでなかったこと」を定着させる。
<国立新美術館>
●コンペのとき、規定の「NACT」をモチーフにしたデザインも提案した上で、おすすめの「新」も提案。
<ユニクロSOHO>
●このスケジュールでは最高のクオリティで制作できない、という場合でも、まず間に合う案、このスケジュールでできる案を提出。その上で、あくまでオプションとして「もしこれくらい遅らせれば、これだけのことができます」という提案でないと。優先順位をしっかり把握すべき。
●すべきことと、するべきでないことの見極め。常に自分に求められているものが何かを冷静に把握。
<千里リハビリテーション病院>
●規模の大きいプロジェクトで、関係者も多い場合は、CDが全体を貫くコンセプトを提示してゴールイメージを描き、的確にディレクションしなければ、大勢のスタッフが考えを正確に理解して、各々の仕事を進めるのは難しい。
(クライアントのやりたい想いがたくさんある場合もなおさら)
●クライアントの想いをベストな形で昇華できるまで、あらゆるアプローチでその答えを探す。時には、デザイン作業中に「ほかのパターンもつくってみたら?」「他にも何か別の方向があるのでは?」と言う。不愉快そうな顔をするが。
●世の中に突出している人ほど、自分のスタイルを貫いているように見えて、その時々で自分の見え方を絶妙にコントロールしている。
ex. パーティに呼ばれた場合はスーツ、トークショーでは赤のジャージ
●日常の所作がクリエイティブに現われる。
ex. 電話に出ない、1時間たったら新しいお茶を出す、時間に遅れない、連絡が行っていない。
●怒ったら負け。そう納得できるように自分をコントロールする。
<新オフィス移転>
●カタチで完結するのではなく、理念で完結する。多少の事では壊れない「耐久性のあるシステム」をデザインする。